ファティリティー・ジャーニー あかちゃんを望まれる方へ

それでも希望を捨てていません

「もう子どもは絶対できない」という宣告。
それでも私たちは希望を捨てていません

F・Oさん(38歳)
体験談

5歳年上の主人と出会ったのは、車椅子バスケットボール。友人に誘われて試合を見に行って感動した私は、その後、チームのお手伝いをするように。選手だった主人とは、友達の関係から自然に恋愛に発展していきました。主人は14年前に事故により脊髄を損傷し、それ以来、車椅子の生活。「自然では子どもを作ることができない」ということは2人とも承知の上での結婚でした。

私は保育士をしていたので、もともと子どもは好きだったのですが、私以上に主人のほうが強く赤ちゃんを望んでいて、不妊治療にもとても積極的でした。
31歳のときに結婚したのですが、結婚後すぐに主人がかかっていた医師に不妊治療ができる施設を紹介してもらい、治療を開始。
顕微授精に臨み、1回目は電気刺激で精子を採ってトライしたのですが、妊娠には至りませんでした。
2回目は、直接精巣から精子を採取するTESEという方法をとりましたが、まったく精子が見つからないとのこと。

1回目に何とか精子が採れていたので2人とも希望を持っていたのですが、婦人科の先生から「もう子どもは絶対できないからあきらめて、養子をもらうか、AID(非配偶者間人工授精)をしなさい」と告げられて、2人とも絶望的な気持ちに――。
「やっぱりダメなの? でも、子どもが欲しい」
そんな私たちを見て、精子の採取をした泌尿器科の先生が男性不妊に強いクリニックを紹介してくれました。

体験談

そのクリニックの初診で先生がまず私たちに言ったのは、「あきらめなくていいよ。絶対できるから」という言葉。また「あきらめなさい」って言われるのを覚悟して訪れた夫と私は、先生のその力強い言葉にすごく感動しました。
「どんなことをしてでも頑張っていこう」と決意したんです。

最初は精子を採って凍結することからスタート。普通のやり方だと見つからないので、MD-TESE(顕微鏡下精巣精子採取法)という方法を採用。精子は8個採れて、卵子も10個採れました。
移植4回目で陽性反応が出ましたが、結局、化学流産という結果に。これはおかしいということで不育症の検査をしてみたところ、少し異常が見られました。主人だけでなく、私にも着床を妨げる問題が……。なぜこんな試練を受けなければならないのかと落ち込みましたが、絶対赤ちゃんを授かりたいという強い気持ちは変わらない。
私も不育妊症の治療をしながら、不妊治療を進めていくことになりました。

治療を続けていくのは大変でしたが、長くやってきている間に注射が自己注射になるなど、物理的にも楽になっていったので助かりました。卵を育てる薬は主人に注射してもらっていますが、不育症の治療のための薬は自分で朝晩注射しています。注射のためにクリニックに通う手間が省けて、有効に時間を使えるようになりました。

でも、やはり結果はなかなか出ません。採れる精子の数が少ないので、採れたとしても最初にいい状態のものを使っていくので、回を重ねていくと、受精はしてもそこから進まなくてストップしてしまうことがほとんど。
また採精して、移植して……の繰り返し。流産もこれまで3回経験しています。通ってもう5年になるので、卵の質も悪くなっているのも原因かもしれません。

私と主人はお互いマイペースで楽天的。ぶつかる時もありますが、普段は何でも言い合える友達同士のようないい関係です。
主人は明るい性格で治療にも前向きなのですが、子どもを強く望んでいるだけに期待が大きく、胚移植の前後は精神的に不安定になってしまうことがあります。すごく落ち込んで黙り込んでしまったり、逆に私に当たることも……。
私も、流産をしてしまうと「やっぱり私のほうが悪いんだ」と主人の前で泣いたり、排卵誘発のときはホルモンのバランスが乱れるのか、イライラしてしまったり……。

体験談

不妊治療中は夫婦の関係が崩れることもあると聞きます。
でも私たちは、それぞれのそういうつらい思いや落ち込んでいる姿を見ているからこそ、お互いわかり合えているのだと思っています。
言葉にしなくても痛いほど気持ちがわかる。「これならずっと2人でやっていける」と、よりいっそう絆が深まった気がします。

今、先月にできたグレードの良い胚を凍結してあるので、移植を待っているところです。まだゴールは見えないけれど、夫と手を取り合って可能性がある限り挑戦したい!
「あきらめるのはいつでもできるけど、続けることは今しかできないよ」という先生の言葉を糧に、これからも目標に向かって頑張っていきたいと思います。


ファティリティー・ジャーニー
赤ちゃんを望まれる方へ

MSD
Copyright © 2012-2017 MSD K.K.
a subsidiary of Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.