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自分は自分

体験談

周りに振り回されることなく、
やっと「自分は自分」と思えるように

H・Sさん(38歳)

「不妊症かもしれない」と気づいたのは結婚して半年後。すぐに子どもが欲しくて自己流でタイミングをとっていたのですが、一向に妊娠の兆候はありません。34歳と年齢も決して若くはないので、不妊治療も行っている産婦人科を受診しました。

血液検査からフーナー(ヒューナー)テストまで、基本的な不妊検査はひと通り受けましたが、私も夫も特に異常はなし。
今から考えるとずいぶんのんびりしていましたが、1年間タイミング法を続け、その後、人工授精にステップアップ。でも、4回やっても結果が出ない。さすがに、これではいつまでもゴールできないのではないかと感じ始めて、体外受精を専門とするクリニックに転院しました。

体外受精に対して、あまり抵抗はありませんでした。転院する前に自分でもインターネットなどで不妊に関する情報をいろいろ調べて、35歳から卵巣の機能がガクッと下がるということを学んでいましたし、タイミング法1年、人工受精4回と、十分すぎるくらいに一般不妊治療に時間を費やしてきたので、ステップアップすることには納得していました。深刻な異常はなかったので、体外受精に進めばすぐに妊娠できると、期待も大きかったのかもしれません。

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選んだのは、排卵誘発は飲み薬と少量の注射という低刺激が方針のクリニック。
注射はペン型の自己注射を採用していました。最初は自分で針をさすことに抵抗がありましたが、手順通りにやれば簡単で痛みも少なく、排卵誘発の治療をスムーズに乗り切ることができました。

採卵を数回くらいすれば大丈夫かなと思って臨んだのですが、その期待は見事に裏切られることに。
1回目は卵が4個、2回目は3個採れましたが、いずれも胚盤胞にならず、最後の3回目で4個採れて、そのうち1個だけ7日目に胚盤胞になったので、凍結。移植を試みましたが、妊娠には至らず……。
先生によると「卵の質が悪かった」ということでした。

「卵巣への刺激法を変えてみたら違ってくるかも」と思い、今度はさまざまな刺激法を提案してくれるクリニックに転院し、治療を始めました。
今度は刺激を強めてトライしましたが、やっぱり採卵できた数は少なく、4個だけ。これも胚盤胞まで育ちませんでした。
2回目、3回目も同じような刺激の仕方で卵を採りましたが、いずれも2〜3個で、卵の質も上がらず、胚盤胞になってもグレードが良くない。結局、移植しても結果は出ませんでした。

刺激のやり方を変えれば採れる卵の数も質も変わると信じていたので、ショックでした。現実を受け止められず、思わず先生に「注射をもっと打てば卵が採れるんじゃないですか?」と訴えたら、「年齢的なことが大きいと思います。注射を倍にすれば卵も倍になるというわけではないんですよ」と言われて……。
自覚はありましたが、そこでもう一度、年齢という大きな壁を感じさせられたんです。

それでもまだ妊娠への希望は捨てませんでした。夫も協力的で、治療を始めたときから同じテンションで一緒に走ってきてくれています。治療に関して夫もいろいろ嫌なことがあると思いますが、合理的に割り切ってくれるというか、とても前向き。

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「ダメだったら、次を試してみよう。妊娠の可能性を高められるなら挑戦したい」と、病院にも積極的に行って治療の説明を聞いてくれます。

きっと赤ちゃんに会えるという可能性を信じて、今は3軒目のクリニックに通院しています。高刺激を得意とするクリニックで、こちらの疑問や意見もきちんと時間をとって聞いてくれます。
先日1回目の採卵をして、10個採れました。胚盤胞はやはり1個しかできなかったけど、グレードは以前よりアップ。凍結して、そのまま移植をするか、もう1回採卵にトライをするか、今、夫と相談しているところです。

期待もあるけれど、その半面、負け癖がついているので、「またダメかも……」という気持ちも正直あります。でも、そのくらいの構え方のほうがいいのかもしれないなと思っています。
これまでは採卵や移植の度に一喜一憂して、ストレスがたまることも。インターネットなど不妊に関する情報も調べまくって、「この人は10個採れているのに、私は4個しか採れない……」と、他人と比べてはいらない落ち込みを繰り返していました。

今はどれを信じて、どれを取り入れて、というのがわかってきて、振り回されることがなくなりました。「自分は自分」と思って、結果も徐々に受け止められるようになってきた。

夫は「卵が採れるまで頑張ろう」と言ってくれています。
望みは捨てず、でもそればかりに縛られることはなく、 これからは仕事や趣味など、気分転換をはかれるものも見つけて、うまく治療とつき合っていきたいと思っています。