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体外受精に挑戦!

体験談

手術後もチョコレートのう胞が再発。
夫の応援もあり、体外受精に挑戦!

I・Kさん(30歳)

結婚したのは23歳の時。まだ20代前半と若かったので、「すぐに子どもを」ということは考えていませんでした。母が29歳の時に私を産んだので、「私もそのくらいで産めればいいかな」と漠然と思いながら、夫と2人の結婚生活を楽しんでいました。

そろそろ子どものことを考え始めた28歳の時、たまたま婦人科で検診をする機会があったのですが、そこで先生から意外なことを言われたんです。
「卵巣が腫れていますね。チョコレートのう胞があり大きさはまだ3cmですが、もし大きくなっていくと不妊になる可能性もあるので、今のうちに積極的に妊娠を考えてください」
「チョコレートのう胞? 不妊……?」
これまで生理不順も生理痛もまったくなかったので、卵巣に異常があるなんて思ってもいませんでした。母も姉も親戚も、結婚して普通に子どもを産んでいた。当然、私もそうだと思っていましたから、ショックでした。
「もしかしたら、私は"普通"では子どもができないかもしれない」
そこから私の不妊治療がスタートしました。

翌年、不妊治療専門の病院を受診。内診と血液検査の結果、最初は左側だけだったのう胞が右側にもできていることがわかりました。
先生からは「手術でのう胞をアルコール固定して、早めに体外受精をしたほうがいい」と言われて、愕然としました。
確かに妊娠はしにくいけれど、すぐに体外受精をしなければいけない状態だとは思っていなかったからです。
妊娠のしくみもよくわかっていない状態でやっとタイミング法にトライして、人工授精もなく、いきなり手術をして体外受精――。
あまりに急な展開にちょっと怖くなって、一度お休みして考えることにしました。

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厳しい現実をつきつけられてしばらく混乱していましたが、それでも夫と私は赤ちゃんを望んでいたので、意を決して2軒目の不妊治療専門クリニックを訪れました。そこは女性の医師で、患者さんの意見も受け止めながら治療を進めてくれるクリニック。子宮卵管造影、卵管鏡など詳しい検査もやってくれました。

結果は、チョコレートのう胞はあるものの、それ以外は不妊につながる原因はないとのこと。6周期くらいタイミング法にトライすることになったのですが、その間にのう胞が大きくなってしまい、左が7cm大に。これはもう手術で切除をしたほうがよいレベル。
この時は私も納得して、内視鏡による手術でのう胞を切除しました。

術後半年間は妊娠しやすいということで、再びタイミングをとっていましたが、またその間にのう胞が再発。
先生から「手術を繰り返すのは大変だから、体外受精をしたほうがいいのではないか」と提案されました。

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1軒目のクリニックで言われたときもそうでしたが、やはり体外受精には抵抗がありました。どうしても人工的に赤ちゃんを作り上げる気がしてしまって……。

自分の卵巣の状態がどんどん悪くなっているのに、そのことが引っかかってなかなか踏み切れない。
主人はガーナ出身で私たちは国際結婚なのですが、夫はそんな私を不思議そうに見ていました。
「先生がきみにベストな提案をしてくれたのに何を迷っているの? タイミング法でも体外受精でも生まれてくる命は同じ。もちろん体外受精でも絶対はないけれど、試してみる価値はあるでしょう」
と言ってくれて……。それでほっとしたというか、肩を押されて体外受精に進むことを決めました。

まず、卵を採るために点鼻薬と注射で排卵を誘発。注射は1週間くらい毎日打たなければいけなかったのですが、私はフルタイムで仕事をしていたので自己注射という選択をしました。「注射は大変だった」というお話をよく聞きますが、看護師さんが最初に打ち方を丁寧に教えてくれたので、すぐ自分でも打てるようになったし、針も細かったので痛みもそれほど感じません。誘発は、思っていたよりも楽に乗り越えられたような気がします。

でも結局、採れた卵は3個だけ。以前、卵巣の予備能をみる AMH(抗ミュラー管ホルモン) の検査をした時、10前後と年齢にしては低い数値が出たので、やはり卵巣の機能が下がっていたのでしょうか。先生からも「30歳なら7〜10個は採れてもいいはずだけど……」と言われました。

心配でしたが、3個とも無事受精してくれて、最初は初期胚を新鮮胚移植。残念ながらその時は着床せず、残りの2個のうち胚盤胞まで育った1個を凍結胚移植で戻し、幸運なことにこの移植で妊娠することができたんです!

実際に経験して、体外受精に対する考え方ががらりと変わりました。
自然だと受精がどうなっているのか、自分ではまったくわからない。体外受精をすると、受精卵を見ることもできるし、それをお腹に戻すときも画像で確かめられる。命の始まりを自分でしっかり確認して、感じることができるんです。
今まで抱いていた「人工的に作り上げる」という冷たいイメージはなく、むしろ感動は自然妊娠より大きい気がしました。

不妊治療中はつらいこともありましたが、プラスになったこともたくさんあります。不妊とわかる前は、仕事をしているということを言い訳にきちんと食事を作っていなかったり、生活のリズムもだらだらしていた。子どもを作る、作らないにかかわらず、健康を崩していたかもしれません。自分自身のからだのことを考えるよいきっかけにもなったのかなと思っています。